SSブログ

コシナ・ツァイスOtus55mmF1.4 [レンズ]

 コシナとツァイスのコラボレート企画となる新路線のレンズがOtus55mmF1.4 ZF.2/ZEである。大口径標準レンズの頂点的な性能を目指したということで、従来の標準レンズとはまったく異なる再現性を感じる。
lf07.jpg
 このレンズはディスタゴンタイプ。いわゆるこれまでの50mm近辺のレンズによくあるプラナータイプのものとは描写性が異なる。とくに開放時の画の印象が違う。旧来のプラナーは残存収差のバランスをとる方法、Otusは開放から徹底した収差補正を行うことがコンセプトだ。
 ツァイスのZF2./ZEのプラナーT*50mmF1.4は同スペックのレンズの中ではコントラストは高いほうに属するが残存収差による像の滲みをわずかに感じる。
 ところがOtusはわずかな滲みさえも許さない針で突いたようなシャープネスがある。ボケ味も異なる。スペックマニアさんは細かい違いに大騒ぎするだろうけど、本来はどちらが優れているかという数値上の違いではなくて、異なる描写の印象をどう写真に生かすかということが重要になる。
 レンズの設計者には怒られるかもしれないが「レンズの味」が云々というけれど、撮影者側にとってはふぐ刺しとステーキとどちらが好きか、みたいな比較できない次元の問題である。予算が許されれば撮影目的とかモチーフによって使い分けることができれば理想なのだけど、Otusは光学理論上の最高の描写力を狙っている。高画素のデジタルカメラでも問題ない。
DSC_0038.jpg
 ニコンD4s コシナ・ツァイスOtus55mmF1.4ZF.2 絞りf1.4 AE ISO100 AWB
                       モデル:今井めぐみ(オスカープロモーション)
 
 もっともMFであることと、重量級レンズだから描写性能を完全に発揮させるには撮影者側にもそれなりの労力を強いられる。本来はフラッグシップのOVFでないとピント合わせは不安である。もしくはライブビューによる像の拡大を利用するなどの方法もよい。高性能だからわずかにフォーカスを外してもすぐにバレるし、ブレもすぐに目立つ。レンズのポテンシャルをすべてに引き出すには本気を出してフォーカシングを行ない、手ブレは注意し、適宜な絞り値を決定したい。コシナとツァイスの挑戦を受けて立つ!くらいの気概がないとこのレンズとは勝負できない。レビューはアサヒカメラ.netで書いた。
nice!(10)  コメント(24)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。