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赤城写真機診療所~そんなカメラは捨てなさい〜 [本]

 2月20日、新著「赤城写真機診療所赤城写真機診療所」~そんなカメラは捨てなさい~ (玄光社)が発売されました。常日頃、こちらに寄せられた疑問やら、カメラ雑誌にてのQ&Aに、私なりの回答をしてみたわけですが、これまで発売されているような入門書のように硬直した回答をしても面白くはないでしょう。中身もほとんど同じものになるし。昨今はワークショップなどでアマチュアの方々と接する機会も増えたので、そうした機会にお話しすることを、ここにまとめてみたわけです。まー好き嫌いはみなさんあるでしょうけど、少なくとも趣味で製作する写真ならば、あまり肩肘張ることをしても疲れるだけですし。かるーく答えてあることも、そこには真実があるんですよ、ホント。信じるかどうかは読者の皆さんにお任せすることにして。
ご興味を持たれた方はぜひ手にとってみてくださいー。
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「銀塩カメラを使いなさい!」発売 [本]

 新著作「銀塩カメラを使いなさい!」(平凡社)が7月27日に発売された。「ズームレンズは捨てなさい!」(玄光社)に続いて、命令口調だけど、これは私がエラそうなのではなく、編集者が名付けたので私は悪くないはずだ(笑)
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 本書も「銀塩カメラ辞典」(平凡社)に続いて「アサヒカメラ」(朝日新聞出版)と「カメラマン」(モーターマガジン社)のそれぞれの連載をまとめたものだけど、もっと簡単にできる予定が、半年以上も発刊が遅れてしまい、担当の編集者をはじめ、各方面に多大なる迷惑をかけてしまった。深くお詫びします。すみません。書籍は著者がいれさえすれば出来るってものじゃないわけで、編集者からデザイナーから、販売に携わる版元の営業の方々、書店員の皆様を含めて、様々な人に助けていただいて成り立っているわけです。ホント。
 刊行が遅れた理由は単純で、保管しておいたはずの作例写真がなぜか行方不明だとか、あらためてブツを撮影しようとしたら、手元にあるはずのカメラやらレンズが見当たらないという事態に陥ったからで、自分のだらしないことに呆れてしまう。
 カメラのブツ写真など、デジタルデータなら瞬時に出てくるのかと思いきや、自分でも覚えのないような訳のわからんファイル名がつけられていて、PC内をいくら発掘してもでてこない(笑)。何せ、掲載誌も管理していないので、こういうことになる。自分の管理のデタラメさも思い知らされた次第だ。でもね、雑誌連載している時って、締め切りまでに記事を作成することに一生懸命で、後で本にまとめるとか、ほとんど考えていないわけ。本を出すのは初めてではないのにねえ、いい加減覚えろよという声が聞こえてきそうだ。
 銀塩カメラ関連の話というのは奥がえらく深くて、探れば新しい発見があったりする。また、この時代だからこそ、新しい認識が持てるんじゃないかと考えている。今回はクラシックなレンズの話もしているけれど、この作例も全て、カラーリバーサルフィルムかモノクロフィルムを使用して撮影している。コストは確かにかかるし、本書の場合は製版代にも跳ね返る。
意固地に思われるかもしれないけれど、フィルムで撮影をした理由は本書において解説しているのでご一読いただけると嬉しい。

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 カバー写真は、知る人ぞ知る、ライカフレックスSL MOTだが、なぜこれを選んだかというのも深い意味はなくて、たまたま手の届くところに置いてあったから(笑)。不人気なカメラだけど、個人的には好きなモデルだ。
 なおここで一つネタをばらしてしまおう。本書の内容とは全く関係ないけど、帯とカバー写真が微妙(でもないか)に違う写真(下)を使用した装幀となっている。本当はレンズが同じ種類だったらなおよかったのだけれど、さすがにそこまでは実現できず。さらにカバーを外すと歩法となる、となる仕掛け(大げさですな)もありますので、お買い求めになられた方は帯とカバーは一度外してみてください。これも紙の本のいいところかも。


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「ズームレンズは捨てなさい!」 [本]

 3月18日に拙著「ズームレンズは捨てなさい!」〜3万円単焦点レンズで世界を変える〜が、玄光社より発売されます。内容はそのままタイトルの通りですが、3万円以下で購入することができる単焦点交換レンズを最新の現行品から古いものまで50本あまりを選択して、廉価なレンズでもすげー立派によく写りますぜ、ということを作例写真をもって検証した本であります。
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 メーカーも利益率のよいレンズを売りたい。でも、ズームじゃないと販売力が弱い。ズームはもはや単焦点レンズと比較しても意味のないほど高性能。この時代に単焦点レンズを使う意味とは理由とは?これをメーカーにもユーザーにも問いかけているわけです。
 金額に上限を設けたので、本来はあくまで現行品を中心にレビューしたかったのですが、これは叶わず、一部クラシックなレンズも掲載しています。クラシックなものも含めると、他にはあれもあるこれもあるとなるでしょうが、そのあたりはクラシックレンズ専門書をご覧になられたほうがいいかもしれません。
 タイトルについて、発売前から一部で賛否両論があるようですが、このシャレのわからない人にはまったくおすすめできません。本書はズームを否定する本ではありませんので念のため。
 ちなみにズームレンズを捨てる場合は私の前でお願いします。責任を持って拾い、次作の「単焦点レンズは捨てなさい!」に役立たせます(笑)。
というのは冗談ですが、どうぞよろしくお願いします。



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宮本常一のオリンパスペンS [本]

 平凡社から発売になったばかりの宮本常一と写真宮本の愛機であるオリンパスペンSのことを書いた。
ペンSは今もなお自分の戦力の一員であるから思い込みも強い。
 宮本常一は説明する必要はないだろうけど有名な民俗学者であり、膨大な記録写真を残したことでも知られているが、かなりの数の作品をまとめてみたのは今回がはじめてである。
芸術ではなく記録写真を撮れと宮本はいうけれど、記録という意味だけでシャッターを押したとは思えない写真が沢山出てくる。普通の民俗学者は写っているものの意味を読み解くことに重点を置くのだろうけど、宮本の写真は写っている意味の裏側に“何か”が潜んでいるのである。これをまた芸術と呼ぶのは野暮というものであろう。
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 ペンSはハーフサイズカメラだけど、その描写性は侮れない。記録という意味で写っているものを仔細に読み解くには写真からの情報量が重要になるのだが、ペンSの描写はこの期待に応えている。
 露出計が内蔵されていないカメラは発売時では珍しくもないが、ペンSは露出決定とピントは自分で行わなねばならない。姿カタチからすればアマチュアのためのカメラという存在だが、きちんと写すには最低限の写真撮影知識が必要である。だから姿カタチがカッコイイからと言って安易に購入しないほうがいいですぜ。あとは私みたいに専用純正フィルターとフードなんかを血眼になって探したりするのも反則ですからね。



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オリンパスOM-D E-M1ムック発売 [本]

 モーターマガジン社からオリンパスOM-D E-M1オーナーズブックが発売された。
主要な機能解説やレンズのレビューなどを担当させていただいたのだが、仕事をしながらOM-D E-M1は仕事に間違いなく使用できると確信した。
 もっともオリンパスのEシステムは初代から仕事にも使っているけど、単独の地方ロケなどでの使用が多く、すべての仕事に持ち出していたわけではないが、E-M1ならあらゆる撮影条件に対処できそうだ。このムックでは、ズイコーデジタルのフォーサーズマウント、マイクロフォーサーズマウントの主要レンズを多くを使用することができたこともあり、あらためてズイコーレンズの性能を見直すよいきっかけともなった。ファインディテールIIの力もあると思うのだけど、画質に対して突っ込みどころはない。とくに回折によるボケが補正されるのは凄い。また一眼レフの位相差AFと異なり大口径レンズのフォーカスの歩留まりは明らかに高い。
 それでもフォーサーズやマイクロフォーサーズのレンズだと、私が仕事上で多く使用する標準レンズ画角域では、焦点距離の短さから大きなボケが得づらいという懸念があったことは確かだ。とくにF値の大きな廉価版のズームレンズでは開放絞りでも大きなボケ味は望めない。スナップでは被写界深度が深いから標準画角域のレンズでも目測撮影できるなど逆に有利はにはなるけど。
 被写界深度のコントロールの幅は当然大口径の単焦点レンズのほうが有利。ズームの利便性に甘えるだけではなく、焦点距離域がたとえ重複しても大口径単焦点レンズを同時携行する必要を強く感じた。今回のロケでも多数のレンズを携行したが、総重量は軽く、苦にならなかったことも特筆したい点である。ボディとレンズが小型軽量であることは幸せだ。もっとも、これもトシのせいなのかもしれないけど。
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 手持ちのフォーサーズレンズがE-M1でも問題なく使えるのも嬉しかったけど、フォーサーズ→マイクロフォーサーズを繋ぐMMF-3アダプターはもっと沢山ほしいところ。E-M1を主役として使うなればフォーサーズマウント、マイクロフォーサーズマウントのレンズを混在して使う機会が増える。アダプターはフォーサーズマウントのレンズ側に装着したままにするのが一番便利なのだ。予約購入すると一個貰えるみたいですが。写真はズイコーデジタル7-14mmF4。レンズは大きいけどE-M1は十分対応できる存在感がある。かなり大きいレンズだがそのミスマッチ感がよい。
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「中古カメラはこう買いなさい」発売! [本]

 玄光社より、「中古カメラはこう買いなさい」という本が出た。著者は私と大浦タケシさん、中村文夫さん。共著である。
サブタイトルは“誰も教えてくれなかった買い方ガイド”となっていて、いちおうはビギナー向けの体裁をとっているけど、いくつか隠し味をマニア向けに加えておいた。いまふうに言えば「わかる人にはわかる」はずである(笑)。
 本書が発売された後、口の悪い知人から、タイトルは「中古カメラは後悔なさい」とか「中古カメラは公開なさい」の間違いじゃないかと指摘されたけど、たしかにこれは一理ある(笑)
 誰しもが知ってのとおり、いま銀塩カメラは現行品として販売されているのはわずか数種であり、中古でも価格が暴落するなど危機的状況下であるわけだが、少ないとはいえ、地道な銀塩写真の制作活動を続けている人は少なくない。逆をいえば、ありがたいことに銀塩カメラを必要とする人にとっては我が世の春状態の価格で販売されている。とはいえ、現行品がないのだから、この先良質な個体は数が減る一方になる。
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 本書は銀塩カメラを延命しようとか、文化を守るなどとエラそうなことをは一切言っていない。時代を作ってきたカメラたちの価値、あるいはこれらの存在とは何だったのか、さらにはいま使うということは、どのような意味と面白さがあるのかも重点として書かれ、購入上の注意点を上げてみた。
 大きな問題なのは今後もフィルムが存続するかということ。ま、これはまず自分が生きている間くらいは大丈夫なのかなあ(もちろん根拠はない)と安心している。それよりも入り口があっても出口がない。つまりフィルムを使っても、現像するところが少ないという状況のほうが問題かもしれない。ところがネットで調べれば現像を受け付けてくれるお店やラボはヤマのように出てくるし、モノクロなら自家現像もできるから暗室は必要ない。以前よりは手間がかかるかもしれないが、銀塩カメラを使おうという意思がある人ならこれらを手間だと思ってはいけません。
 デジタルだろうが銀塩だろうが写真的な価値は変わらないが、装置としてのカメラは現行販売期間は長くても3年程度。ところが70年前のライカでもフィルムがあれば写すことができる。カメラという装置の価値、そして“写る”という意味を探ることを考える上において、銀塩カメラはもう少し見直されてもよいはずだ。

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CLASSIC CAMERA vol.5 [本]

 鹿児島のカメラ修理会社「カメラサービス鹿児島」が音頭をとり、そこに集う銀塩カメラユーザー25人が主に寄稿している「CLASSIC CAMERA」がめでたく5号目を迎えた。私も2号めから参加させていただいているが、新しい号になるたびに内容が濃くなっていて、レベルも上がり驚くべき進化を遂げているが、かなり若い寄稿者もいらっしゃるのが特徴で個人的にとても嬉しい。
 昨今のクラシックカメラ趣味というのは、以前よりも敷居が低いのは銀塩カメラが廉価になったことで、若い人が参入しやすくなったからということもあると思う。おっさんが訳知り顔でライカのボディの握り具合がどうとか製造番号の考察とかシャッター音がどうたらなどという、ろくでもないことに執着しているのに対して、若い人たちはきちんと写真制作の道具として銀塩カメラを使用しており、非常に真面目な方向性を持っているのが特徴である。
 このことがCLASSIC CAMERAの発行で裏付けされているわけであり、インディーズのカメラ雑誌としては、コシナが広告を掲載していることからもわかるとおり非常に認知度が高いものだ。
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 太っ腹なのは、これはフリーペーパーであることだ。また2次元読書ここで無料で読める。撮った写真は人に見ていただくのが一番。同じような銀塩カメラユーザーが多くいらっしゃるクラブも参考にされてはいかがでしょうか。
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CLASSIC CAMERA [本]

 「季刊クラシックカメラ」で紹介することを思い出したのだけど、現在も「CLASSIC CAMERA」という雑誌は存在する。いや正確にはフリーペーパーなのか。発行地は九州は鹿児島である。
カメラサービス鹿児島」というカメラ専門修理会社に集う銀塩カメラ、銀塩写真愛好家ユーザーの有志たちが中心となり、参加費を払い、専門家がこれも手弁当でデザインと編集と印刷をを行い、さらに広告までをも集めているが、これがどうして一般市販カメラ雑誌と比較しても、侮れないほどの出来なのである。現在は4号まで発行されており、うち別冊も1部ある。実際私もちょぴっとだけ寄稿させていただいているのだが、大きな声じゃいえないけど、カメラ雑誌のレンズレビューの作例よりも、かなり真剣に写真選択を行っているくらいである(笑)
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 この雑誌で立派なのは、銀塩カメラ、写真の優位性をもっともらしくうたいあげる、というよりも、参加しているみなさんが実際にカメラを愛で、撮影を楽しまれていることである。そこには当然いやいやながらの義務感はなく、楽しんで撮影しているから、これもまた心に響くよい作品が生まれるのである。誌面からは楽しさと熱気が伝わってくることは間違いなく、これはカメラ雑誌の月例コンテストあたりでは見ることができないものだ。デザインや印刷もフリーペーパーとは思えないほどクオリティーが高いので、こちらも真剣におつきあいさせていただいてるのである。
 発行元が鹿児島なので、寄り合いにしょっちゅう顔を出すというわけにはいかないけど、Facebookには非公開だけどグループもあるし、頻繁に情報交換をすることができるのが、この時代の楽しさである。それにしても鹿児島は銀塩写真に熱いぜ。この理由はなぜなのだろうか。11月号のフォトコンにも紹介記事が出ているからご一読あれ。
 紙媒体のほうは鹿児島に居住していないと入手は難しいかもしれないけど、電子書籍にもなっていて、「カメラサービス鹿児島」にCLASSIC CAMERAのリンクがあり、紙媒体もあるようなのでメールで問い合わせをどうぞ。またはここから直接どうぞ。全号が無料で読めるのはちょっともったいない気もするけど(笑)。
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