SSブログ

「銀塩カメラ辞典」発売! [カメラ]

 明日、10冊めとなる新著が発売される。銀塩カメラ辞典(平凡社)。
 アサヒカメラに長年連載していた、エッセイを抜粋し、あらたに書き下ろしを入れている。作例写真は取り上げたカメラにフィルムを入れて撮影し、フィルムからプリントまで自家処理している。
 銀塩写真、カメラを取り巻く環境が絶望的なこの時期になぜこんな本を、と訊かれるけど、デジタルカメラは3年もすれば話題にもならない。新型カメラが登場すれば指南書がたくさん出てくるけれど、その命は短い。カメラを開発するエンジニアも寝食を忘れて仕事をし、たいへんな苦労をされているが、モノ的な充足感のあるカメラは少ないのは困ったことで、使いもしない機能だけが増えている。カメラは機能とは関係なく語れるものであってほしい。
 銀塩カメラたちはフィルムがある限りは、今後もこれまでと同様に活躍してくれるし、使ってみると、意外にも新しい発見があったりする。エラそうにそれを説こうとは思わないが、なぜ銀塩カメラ、写真はいまだに面白いのか、その理由を自分でも探るために書いたようなものだ。今さら、銀塩写真の優位性などを説こうとは思わない。面白いから使っている。それだけでいいと思う。
 でも、フィルムがなくなれば銀塩カメラが弾丸のない銃みたいなものだから、ただのゴミと化してしまう。自分の生きているうちはフィルムは存続するだろうという楽観論者だからこそ、こういう本もできたわけだけど、将来のことは神のみぞ知るである。はたしてどうなるだろうか。

ginenc.jpg
 

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

nice! 0

コメント 2

tak

今更ながら買いました、読ませていただきました。私も無類のフィルムカメラ好きなのでコンバーチブルホースマンは知らなかったです。それぞれのカメラの見る角度や思いいれが楽しかったです。しょっちゅう見返しては楽しんでいます。フィルムの自然さ、立体感や存在感、ベタつき感のなさはデジタルでなかなか出せないし、プリントする位ならポジの方が安く出来るのに。しかも感動はデジタルからは貰ったことが無いです。最近はポジを蛍光灯やライトボックスで透かしてスマホで撮るだけで綺麗な写真が楽しめるしいつでも見れるのに気付き、周りに勧めてます。
by tak (2013-02-17 23:31) 

Koichi Akagi

takさん、お買い上げありがとうございます。
銀塩写真がデジタルより優れている云々という話ではないのですが、写真制作のひとつの行為
として、長くずっとやってきたことを今後もそのまま続けたい、続けるのにはどうしたら、という謙虚な姿勢なだけなのですよ、ホントです。
by Koichi Akagi (2013-02-18 00:09) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

ニコンD600は買いなのか?XFレンズ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。