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キヤノンペリックス [銀塩カメラ]

 カメラを購入するとき、一眼レフかミラーレスかで悩まれている方が多くて、どちらにするかという選択の相談をよく受けることが多い。昨年は、震災をはじめいろんなことが起こった年ということもあり、一眼レフ新製品がほとんど出なくて、時代はミラーレス機だろうという風潮もあったわけだけど、今年は一眼レフの百花繚乱というか、なにか勢いを取り戻しつつある感じもする。それはそれで興味深い。
 で、どちらをオススメするかというとこれが難しくて、相談をうけても量販店でファインダー覗いて選んでみたらとか、冷たく突き放してしまったりする。だって、どちらがよいか悪いかではなくて好みとかあるし、何を主に撮るかでも変わってくるじゃないですか。
 話はいきなり遡って、前の時代、まだ「アサヒグラフ」などのグラフ誌の媒体があり、週刊誌の一部でも、正統派のルポルタージュや、ドキュメンタリーに口絵ページが多く裂かれていたころ、私もこうした仕事をかなりしていたけど、このような仕事でメインカメラとしていたカメラはライカM各機種であり、一眼レフはサブ的な扱いだった。そのころでも、けっこう時代遅れにみえる装備だったり、なにをまた不便なものを無理して、なんて思われていたらしいが、いや決して不便じゃないんだな。
 ライカの場合フィルムの装填がどうとか、ちょっとしたマクロ撮影とか望遠レンズ使う場合にゃどうすんだよ、という疑問をもたれたりするけど、単純に云ってしまうと慣れの一言で済んでしまうことだし、ライカで撮れないものは一眼レフで撮ればいいという役割分担があったわけで、普段は35ミリレンズなどワイドレンズを使うことが多いし、ライカの素通しみたいなファインダーでフレーミングして被写界深度を予想し、これが想像通りのドンピシャな写真に仕上がったりすると、けっこう嬉しい。もちろん、実際に仕事で使っているわけだから、単純に嬉しがっているのではなくて、想像どおりの写真になるように一生懸命努力というか練習するわけ。
 一眼レフだって、レンズの絞り開放像を見ているのだから想像力は必要なんだけど、AFが搭載された以降の一眼レフの光学ファインダーの性能の質には絶望することが多い。百歩譲って、基本的にピント合わせはAFを使うのだから、ピントのキレの悪さにはガマンするにせよ、なんだか実際よりも深度が深くみえるものが多くて、撮影後のモニターで画像確認すると、ファインダーで見ていた像との乖離が大きく、あれれとか思ったりする。それに露光時間中のブラックアウトの問題は、一眼レフであり続けるかぎり、ずっと存続する。言っては何だが、レフレックスの仕組みを考え出した人は凄いけど、もうずいぶんと長い時間を経ている。基本構造は古くさいわけ。だからライカのファインダー像のほうが正確さに欠けても肉眼で見ている“ライブ”に感じることがあるのが不思議ですね。
 話を戻すとデジタルカメラの黎明期には、一部のカメラメカライターの中には、カメラにミラーがあるほうが異常である(つまり一眼レフのことね)と断言する人がいたりしたけど、たしかにEVFやライブビュー像と出来上がる画像とは親和性があるから、こちらのほうがデジタル向きなのではないかという感じもする。
 でもね、EVFやライブビューの画像は、どんなに遅延が小さく画質が優れていても、しょせんは過去の像の観察している感がある。たぶん、EVFやライブビューの画質に不満があるということよりも、特性を自分で完全に掌握するにはアタマの切り替えが必要で、これをまた努力して克服するのが面倒くさい。性能の落ちた一眼レフの光学ファインダーでガマンし続けるのか、もうカメラはミラーレスにしちゃって、これに慣れるか。けっこう近年中に最終選択を迫られてしまうような気もする。まあ、結局は役割分担があるような気がするんですよね。
 カメラ雑誌でも、拙著「銀塩カメラ辞典」でも事あるごとに書いているのだけど、一眼レフなら、光学ファインダーのままペリクルミラーなど半透明ミラーを採用したデジタル一眼レフがいまいちばん欲しいかなあ。
 ファインダーアイピースからの逆入光問題とか、ファインダー像に導かれる光や、センサーへの光の量が減るとかいうリスクはあるけど、半透明ミラーのファクター分の露光倍数はカメラ内で処理できそうだけど、そうすると高感度設定の時に不利になるのか、どうなんだろ。
 もちろん半透明ミラーにしても、位相差AFセンサーをどこに置くかとか、置き場所によってはセンサーにミラーを使うため、ミラーの可動は必要であるという話もエンジニアから訊いたことがあるが、不可能を可能にすることでカメラは発展してきたはずである。
 写真はペリクルミラー内蔵のキヤノンペリックス
cpellix.jpg
昔から一眼レフのブラックアウトの問題をどう克服するかは考えられていたわけだ。うちにある個体はヤレているけど、ミラーはまずまずで画質には問題はなさそう。前オーナーが銘板とかを塗りつぶしたみたいだが、陰湿なスナップに使われたのか。
でも先日、このカメラでかなり撮ったんだけど、内蔵されているキヤノンお得意の部分測光TTLメーター使ってないから、ミラーの露光倍数を露出に加味することを忘れていて全部のフィルムを増感現像することになっちまった(笑)

ナチュラ クラシカ ホワイト [銀塩カメラ]

 白EOS Mを先のエントリーの宣言どおり、けっこうマジで仕事で使っている。小商いばかりの昨今、携行性がよく単独行の仕事ではたいへん助かっている。
 でも、一見するとコンパクトカメラにしか見えないので、まわりのスタッフからの反応がさまざまで面白い。女性編集者からはガッキーが持っているヤツですよね、とか言われたりした。カメラのことなんか、なんも知らない人からはかなりヘンな顔をされる。先日の某制作会社の営業さんなんかはコイツ、大事な仕事をコンパクトカメラで撮るのかよ、大丈夫なのかよ、みたいに思っていたらしい。今日のロケでは、アカギさん、趣味の写真撮っているんですかー、とか言われてしまいました。バカやろうどうみても本業撮影だろうが。
 ま、トシ食ってくると、こういうアマチュアリズムがバクハツしているカメラ使っても堂々としていることが重要なんですわ。ガッキーの使っているカメラでも立派に仕事できるんですよと、結果をちゃんと出した写真を撮らないといけないからよい意味で緊張するわけです。仕事には適度な緊張も必要なのだ。
 クソ高い、高画素のフラッグシップ機使ってんのに、出来上がった写真はこの程度なのかよ!と思われるかもしれないじゃないですか、逆の意味でこれは同じことだと思う。
 で、EOS Mは完全に仕事カメラになってしまったわけです。明確に仕事カメラと私事カメラを分けたい私としてはEOS Mを仕事にとられたので、なんか代わりになるカメラが欲しくなったりする。
 もちろん代わりになるカメラは死ぬほど持っているんだけど、いまの勢いだとやっぱり白いカメラが使いたいじゃないですか。ミノルタαのミール仕様とか古いイルフォードのアドボケイトなんかでもいいけど、お気軽に使うならペンタックスのK-xとかK-m(デジタルカメラのほうね)とかも考えたんだけど、なんかいまひとつ気分じゃないんですね。限定のライカM8ホワイトなんかはもう売られていないだろうし価格も論外でGRデジタルIVのホワイトはレンズ鏡胴が黒いのがイヤ。
 で熟考の末、再びフィルムカメラに戻り富士フイルムの「ナチュラ クラシカ」の限定ホワイトバージョンを入手しました。毎度お世話になっている西村カメラでデッドストックされていたのは前から知っていたのだけど、フツーのナチュラ クラシカはすでに持っていたりするんだけどさ(笑)。
 これね、侮れないです。とてもよく写りますぜ。28-56ミリのズームって、けっこう使いやすくてシャープな描写をする。もうすでに製造中止なわけだけど、巷のカメラ店には売るほど在庫がある。けっこう新品でも安い。でもホワイトバージョンはすぐに完売したらしいので市場でも見る機会が少ない。
 でも実際に手にして使うとすぐに手あかで汚れそうなカメラですなあ。塗装は高そうじゃねえな。普通のモデルにさっとスプレーで白く塗ってみましたって感じ。貼り革まで同じように白いのはよいが、間違いなく一日で汚れるなこれは。だからコイツを持って外出する前には、きちんと手を洗うことにしました。もしくは手袋でもはめて撮るか。ちょっと潔くないか(笑)
 なぜ白いカメラが欲しくなったかといえば、明快な理由も見つからず回答ができないのはいつものとおり。ブラックペイントのライカMの塗装の暖かみがどうのって論評するより健全・・・でもねえよなやっぱり。ま、使って汚れる前に写真を撮っておきました(笑)。
natura134.jpg
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