SSブログ

コシナ・フォクトレンダー・ヘリアー40mmF2.8 [レンズ]

 ヘリアー40mmF2.8はずいぶんと変わったレンズである。VMマウント(ライカMマウント互換)でありながら、使用カメラはα7系のEマウントカメラを使うことを前提としている。
 装着するには同社のVM-Eクローズフォーカスアダプターを使用する必要があるわけだけど、その回りくどさは凄いものがある。
 VM-Eクローズフォーカスアダプターは決して廉価ではないが、海外製のアダプターの作りとは一線を画したものである。こうした凝った作りこみのレンズを作ってしまう企画力は大きなカメラメーカーでは決してできなることのない技であろう。昨今のクラシックレンズブームにあえて同じ土俵で挑んだ最新のレンズという意味あいもあるが、少しアイロニーにも感じられることも興味深い。

herriar4002.jpg

 ライカM系のカメラやレンズのことならなんでもわかるぜ、という人ならば必要ないけど、このレンズの意味するところを普通の人(笑)にも知っていただくためにカメラファンのサイトでもレビューしている。
 肝心の写りに関しては、クラシカルな構成を保ちつつも非球面レンズを巧みに使い、高画素のデジタル画像にも対応させようという試みのようだが、個性があって好きな描写である。
nice!(8)  コメント(141)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

ワイドローライ用のフード [銀塩カメラ]

 フード病が再発である。今回のは重症でワイドアングルローライフレックス用の純正フードである。オークションサイトで発見したのは友人だけど、普段はこういうものは自らが見つけないように注意はしているのだが、行きがかり上、強く頼んではいないにのまわりの人が見つけてくれるから困ることになったりする。いや、ほんとは少し嬉しい。装着感触も想像以上(笑)
wfood01web.jpg
 ブツ自体はオリジナルのものなら珍しいのだろうけど、これはローライフレックス4.0FW用に復刻したものであり、価格は高いけど珍しいものではないだろう。位置的にそうしているのだろうが、オリジナルのワイドローライのバヨネットにも装着できる。当然発売時期が異なるから強力なローライコレクターさんには不評ということになるのだろうな。
 いちばんマズいのは効果のほどはどうなのよ。ということなのだが、もちろん極端な斜光線以外は役立ちそうにない。では、なぜ欲しいのかと。カッコつけです。それのみでありますね。
nice!(6)  コメント(9)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

EOS7D MarkII [デジタルカメラ]

EOS7D MarkIIもなんだかんだとレビューで使って、その性能の高さに感心した。けれど、ふだんはミラーレス機ばかり使っているから、APS-C機でこんなに大きくて、EOS6Dより重くていいのか、みたいな感想をどうしても持ってしまう。カメラメーカーのエンジニアにはしょっちゅう質問するんだけど、小型軽量化と耐久性って両立できないのかしら。でも、ある人に言われました、カメラが重たく感じるのはジジイの証拠だと(笑)
 前機種の7Dが相当なロングセラーだったこともあって、次機種は出るのかなあという疑問もあったことは確か。これからは一眼レフは35ミリフルサイズが基本だぜ、みたいな風潮も感じていたけど、時間がかかってもきちんと更新してきたあたりキヤノンのココロザシには敬意を表したい。
 APS-Cのデジタル一眼レフって差別されそうだけど、必要な人には絶対必要なわけで、完成度の高いカメラに仕上がっていて好感がもてる。グリップを握った感じなんかは、そうそうこれでなくっちゃという感じもしました。ただ、私の場合は性能高すぎて持て余すよなあ。
rensya4.jpg
モトクロスの練習中の1コマ。とくに気合いを入れた走りではないそうだ。こちらもカメラ向けてシャッター押したら全部コマにピント合ってたぜという感触が得られて満足。専門家が撮ればもっとよい写真撮れるだろうけど、とくに関心がないこともあってピントが合ってたし、〆切も近かったこともあり、すぐに引き上げてきました。すみません(笑)
EOS7D MarkII EF70-300mmF4-5.6L IS USM プログラムAE AWB ISO1600
nice!(9)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

ニコンD750 [デジタルカメラ]

 昨今は一眼レフを使うことが少なくなったんだけど、キヤノンからはEOS 7D MarkIIが、ニコンからはD750が登場して話題になっている。いいですね、日々EVFを見つめ続けていると逆にOVFが新鮮。両機はAPS-Cとフルサイズという違いはあるんだけど、最近はどちらでも好きなほうを選べばよろしい感じ。
 本来はフィルム時代からのシステムを継続し展開している一眼レフのシステムの場合はフルサイズがスジとは考えてきたことは確かだけど。
 でも個人的にあれだけ大騒ぎしてきたフルサイズにもほとんどこだわなくなってしまい、これには自分でも呆れている。今ではフィルムカメラの経験のない人に「フルサイズの何がいいの?」と質問されると、うまく答えられない自分がいたり。業務はともかく、一般的な写真制作の場においては、画質が、高感度がどうのと言っても以前ほどは強い説得力を持たないように思うわけ。ISOが万の単位で設定できても何撮るんだろ?
 それにセンサーサイズの違うカメラがたくさんあるってことは、それだけ買う理由も見つけることができるわけだからそれはそれでいいと思うんだけど。つまらん画質比べなんかより重要だと思うんだけど、どうでしょうかね。
d750.jpg
 D750はバランスのとれた優れたカメラでした。シャキシャキ動作するし。かつて、D700と一ヶ月でお別れした身としては、なんかまた共にやっていけるような気もしている。
 もっともフルサイズでの初のチルトがどうのってことはどうでもよくて、でもソツなくまとめてきた感じがします。フルサイズに適した仕事があればすぐにお越しいただいきたいけど、この状況ではねえ。それにうちの手元には新しいニッコールレンズがないという大きな問題がある。理由はさんざん書いてきたので繰り返しませんが。
nice!(6)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

宮本常一のオリンパスペンS [本]

 平凡社から発売になったばかりの宮本常一と写真宮本の愛機であるオリンパスペンSのことを書いた。
ペンSは今もなお自分の戦力の一員であるから思い込みも強い。
 宮本常一は説明する必要はないだろうけど有名な民俗学者であり、膨大な記録写真を残したことでも知られているが、かなりの数の作品をまとめてみたのは今回がはじめてである。
芸術ではなく記録写真を撮れと宮本はいうけれど、記録という意味だけでシャッターを押したとは思えない写真が沢山出てくる。普通の民俗学者は写っているものの意味を読み解くことに重点を置くのだろうけど、宮本の写真は写っている意味の裏側に“何か”が潜んでいるのである。これをまた芸術と呼ぶのは野暮というものであろう。
IMG_1944.jpg
 ペンSはハーフサイズカメラだけど、その描写性は侮れない。記録という意味で写っているものを仔細に読み解くには写真からの情報量が重要になるのだが、ペンSの描写はこの期待に応えている。
 露出計が内蔵されていないカメラは発売時では珍しくもないが、ペンSは露出決定とピントは自分で行わなねばならない。姿カタチからすればアマチュアのためのカメラという存在だが、きちんと写すには最低限の写真撮影知識が必要である。だから姿カタチがカッコイイからと言って安易に購入しないほうがいいですぜ。あとは私みたいに専用純正フィルターとフードなんかを血眼になって探したりするのも反則ですからね。



nice!(12)  コメント(70)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

ブサイクなカメラ [銀塩カメラ]

リコーのGRistというwebのインタビューページに藤原新也さんが出ている。
一部勝手に引用しちゃうけど「(カメラは)格好良くないとダメだね!家の備品であれ、持ち物であれ、時計一つ取ってもダサいものを身につけるの嫌じゃない?ライカのM3とか、M4やM5、どれがカッコいいかって、昔はそういうのがあったと思うんだよね。性能さえ良ければ全てみたいなのはだめだ。」
 という意見に激しく共鳴したりしている。そうカメラは基本的にカッコよくなければダメである。だから、超高性能のカメラでも気に食わないとあまり評価したくない(笑)。ことカメラに関しては面食いなんだよね。
 もっとも世間一般の価値観からしても、高性能だけど、ブサイクでそれでいて人気もあるカメラって多くはなさそうだ。もっともそのカメラがブサイクなのか美しいのか、というのは個人の好みよって大きく判断は分かれるわけだけど。よくある飲み屋さんでの会話の議題くらいにはなる。
fphotomic.jpg
 で、いまうちにある最もブサイクなカメラは何かと問われれば「ニコンFフォトミック」(最後期のフォトミックファインダーつきだとなぜ“ニコンフォトミックFTN”という名称になるのかね)なのかなあ。お金が貯まったので、二階を増築して違法建築になったようなデザインだけど、その“ムリヤリ感”ってメカニカルカメラの発展としては意味がるようにも思えるし、イヤになれば元のアイレベルファインダーにすれば美しいFになるわけだしね。
nice!(5)  コメント(82)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

オリンパスACEのフード考 [銀塩カメラ]

 ほとんどジャンク扱いになっていたオリンパスACEを見つけたのは良かったのだが、程度はいまひとつで、結局は修理送りになってしまった。この種のカメラでも本気で使うのが私の主義であるから、メンテナンスするのは当然だが、半世紀を経たいまでも調整は可能であることに驚く。距離計も調整してもらったら感動的に精度が高くなった。
oace1.jpg
 私よりも年上のレンズシャッター機だけど、レンズ交換も可能。標準レンズはズイコー4.5cmF2.8。交換レンズは3.5cmと8cmがあるらしいが、とくに後者は見た記憶はない。しかし、自分にとって問題だったのはフードであった。珍妙な鏡胴のカタチをしているのに専用のフードがあるのかということである。フィルター径は37.5mmというこれもよくわからないサイズで、ねじ込み式でもなさそうである。で、例のごとくフード行脚がはじまるのである。
 で、見つけましたよ。カメラを入手した別の某店で4.5cmの専用フードを。泣きましたね。絞り環に取り付けるカブセ式で、絞り指標のところに切り欠きがあるから絞り設定も問題ない。もともとACEのレンズは絞りの定点位置指標が小さいこともあり設定しづらい。しかしフードを装着すればこれを掴んで回して絞り設定できるから使いやすくなる。こういうつまらないことに泣けるわけね。装着した姿はけっこうカッケー。
oace2.jpg
絞り指標はレンズ回転位置に合わせて二カ所あるから切り欠き箇所も二カ所。カブセ式だからネジが緩むと操作しづらいけど、これも愛嬌なのであろうな。
nice!(8)  コメント(8)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

修理上がりのニコンS [銀塩カメラ]

 デジカメの場合は、仕事用として特化しているので、修理を続けつつ長年にわたって大切に使うという慣習がない。長くても3年程度のつきあいで次機種に切り替える。SCに行くのはセンサーのクリーニングに行く程度で、致命的な故障とか落としたとかショックを与えたという意外はよほどのことがないかぎり修理に出すことなく新しいモデルが出ればそれを使うことを繰り返しである。
 先日、スローシャッターがついにイカれてしまい修理に出していたニコンSが戻ってきた。うちにきて20年は経過するが、使用頻度はライカよりも少ないから、フィルムはおそらく100本は通してはいないはず。これまでの現像の結果をみるとずっと安定した結果を示していたし、やっとというか、ついに調子が悪くなったかという印象である。一般にニコンのメカニカルシャッターはこういう面でも信頼がおけるのである。
nikons.jpg
 ニコンSは1950年の年に登場しているから、最長だと誕生から64年を経過していることになる。シリアルを調べるのは面倒なので、うちのSが何歳かはわからないけどいずれも私よりも年寄りだ。カメラとしては「古老」であるが、今でも問題なく修理調整して使えるのはすごい。
 当時のニコンSは高価だったから富裕層でなければ買えない逸品だったはず。推測するに、最初のオーナーはそれなりの地位にある人だろうし年輩の方だろうから、今ごろは天上から、このカメラの行く末を見ているかも。もしかすると北米あたりに行っていたのが戻ってきたのかどうかもしれないけど。テストしたSのネガをみていつもアレと思うのが、コマ間が少し広いこと。そうなのだ。ニコンSの画面サイズは24×34mm。“フルサイズ”機じゃないことをネガを見てからいつも思い出すのだ。
nice!(13)  コメント(36)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

食写真 [写真]

雑誌の仕事をしていたころには料理写真を撮ることが多かったが、最近ではSNS用に撮影するくらいだ。SNSと料理写真はなぜか深い関係がある。他人の昼メシとか酒席のシーンを見て喜んでいるのはヘンということも言われるが、私自身は撮るのも見るのもスキである。料理の魅力を知りたいということもあるけど、そこには多くの情報が詰まっているように思える。“料理写真”というよりも日々の食を記録する“食写真”というのは人の生き方が見えるというのは大げさか(笑)
写真.JPG
 赤貝の握り(iPhoneで撮影)

それにしてもスマホのカメラでも信じられないくらいよく写る。これじゃ、コンデジは売れなくなりのはあたりまえか。仕事じゃないから、アベイラブルライトフォトになるけど、情報誌の取材程度の写真ならばまず問題はないだろうな。ただ、上の写真では撮影時にちょっと工夫をしているんだけど、これは内緒(笑)。それでも仕事しているふうには見えないだろうから、小型ミラーレス機くらいは使うべきだろうけど。

chiri.jpg
 チリ(ルミックスGM バリオ12-32mmF3.5-5.6 ASPH/MEGA O.I.S プログラムAE AWB ISO1600)

ミラーレス機で撮っても、さほどiPhoneと変わらないじゃないという意見は却下。昔は飲食店のロケ撮影でも大型ストロボに三脚にスタンドやトレペを持ち込み、狭い店内の一角を借りたスペースでひと騒ぎして撮影していたものだけど。デジタルの凄さって料理写真の時に感じること多くないですか。
nice!(11)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

リコー一眼レフ [写真]

アサヒカメラ7月号の連載でリコーのKマウント一眼レフ話をしている。リコーの一眼レフを取り上げるのは実ははじめてではないのだけど、どこか引っかかった存在になっているのだが、書き方が悪いためか紙数が少なくて消化不良になってしまい反省していたり。
rikohxr1.jpg
リコーの一眼レフでいちばん長く使っているのはリコーXR-1sだったかもしれないと今さらながら思い直している。
 このあたりのクラスのカメラだと誰も気にもとめることはないし、ペンタックスのKXとかKMあたりと同等の存在だが、過去のネガを漁ってみると、なかなかよい仕事をしていたりする。肩のチカラが抜けるからであろうか。無骨なデザインのためか、メカニズムの作り込みや情緒的魅力には欠けるように見られるのだが、実際に使ってみる意外に使いやすい。
 SNSの情報で、当時のXRリケノンの一部のレンズはペンタックスから融通されているという情報を得て、ペンタックス以外のKマウント互換一眼レフカメラがますます気になりはじめている。
nice!(7)  コメント(40)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。