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宮本常一のオリンパスペンS [本]

 平凡社から発売になったばかりの宮本常一と写真宮本の愛機であるオリンパスペンSのことを書いた。
ペンSは今もなお自分の戦力の一員であるから思い込みも強い。
 宮本常一は説明する必要はないだろうけど有名な民俗学者であり、膨大な記録写真を残したことでも知られているが、かなりの数の作品をまとめてみたのは今回がはじめてである。
芸術ではなく記録写真を撮れと宮本はいうけれど、記録という意味だけでシャッターを押したとは思えない写真が沢山出てくる。普通の民俗学者は写っているものの意味を読み解くことに重点を置くのだろうけど、宮本の写真は写っている意味の裏側に“何か”が潜んでいるのである。これをまた芸術と呼ぶのは野暮というものであろう。
IMG_1944.jpg
 ペンSはハーフサイズカメラだけど、その描写性は侮れない。記録という意味で写っているものを仔細に読み解くには写真からの情報量が重要になるのだが、ペンSの描写はこの期待に応えている。
 露出計が内蔵されていないカメラは発売時では珍しくもないが、ペンSは露出決定とピントは自分で行わなねばならない。姿カタチからすればアマチュアのためのカメラという存在だが、きちんと写すには最低限の写真撮影知識が必要である。だから姿カタチがカッコイイからと言って安易に購入しないほうがいいですぜ。あとは私みたいに専用純正フィルターとフードなんかを血眼になって探したりするのも反則ですからね。



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ブサイクなカメラ [銀塩カメラ]

リコーのGRistというwebのインタビューページに藤原新也さんが出ている。
一部勝手に引用しちゃうけど「(カメラは)格好良くないとダメだね!家の備品であれ、持ち物であれ、時計一つ取ってもダサいものを身につけるの嫌じゃない?ライカのM3とか、M4やM5、どれがカッコいいかって、昔はそういうのがあったと思うんだよね。性能さえ良ければ全てみたいなのはだめだ。」
 という意見に激しく共鳴したりしている。そうカメラは基本的にカッコよくなければダメである。だから、超高性能のカメラでも気に食わないとあまり評価したくない(笑)。ことカメラに関しては面食いなんだよね。
 もっとも世間一般の価値観からしても、高性能だけど、ブサイクでそれでいて人気もあるカメラって多くはなさそうだ。もっともそのカメラがブサイクなのか美しいのか、というのは個人の好みよって大きく判断は分かれるわけだけど。よくある飲み屋さんでの会話の議題くらいにはなる。
fphotomic.jpg
 で、いまうちにある最もブサイクなカメラは何かと問われれば「ニコンFフォトミック」(最後期のフォトミックファインダーつきだとなぜ“ニコンフォトミックFTN”という名称になるのかね)なのかなあ。お金が貯まったので、二階を増築して違法建築になったようなデザインだけど、その“ムリヤリ感”ってメカニカルカメラの発展としては意味がるようにも思えるし、イヤになれば元のアイレベルファインダーにすれば美しいFになるわけだしね。
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